10/9‐11 KIRAWAYスルーハイク【その3】 - ももんが山岳会
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10/9‐11 KIRAWAYスルーハイク【その3】

その2はこちら>

10月11日

今日は第5、第6ステージ。
西別岳への登山口にある西別岳山小屋からリスケ山、西別岳を経て摩周湖第1展望台へ。
そこからゴールのJR美留和駅を目指して下りる。
全行程の中でもっとも山登りらしいコースだ。

3:00起床。
しかし二度寝してしまい、出発は4:50にずれ込んでしまった。
他の2人の邪魔にならないように支度をして山小屋を出た。

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まだ日は昇っていないが、うっすらと明るい。
しっかりとした登山道で、ヘッドライトの明かりだけでも安心して歩くことができた。
ただ、ここからは国立公園内なのでKIRAWAYの標識はない。
地図とコンパスを頼りに歩かなければいけない。

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最初は「がまん坂」と呼ばれる急坂を登る。
標高差は約400m。
確かにキツいが、昨日までの砂利道歩きに比べたら格段に楽に思える。これは不思議な感覚だった。

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6:35、西別岳頂上(799m)に到着。ガスで何も見えない。
風が強く、立っていると体温を奪われる。雨も降ってきた。

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(山頂からの眺め。私の山行、こんなんばっかり)

カムイヌプリ(摩周岳)への分岐を通過し、摩周湖外輪山のなだらかな稜線を歩いていく。
右手に摩周湖が見えてきた。
あいにくの天気だけど、まぎれもなく絶景だ。

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左に目を転じると、いままで歩いてきた広大な大地が見渡せる。
ここを歩いてきたのかと思うと感慨が深い。

9:10、摩周湖第1展望台に到着。
ゆっくりしたいところだが、帰りの列車の時間が気になるので先を急ぐことにする。
ここからは美留和駅まで下るのみ。
下山ルートの入り口が分からないので展望台駐車場のスタッフに尋ねる。
標識は一切なく、道路わきに置かれた黄色と黒のコーンだけが目印だ。
これはちょっと初めての人には分からないだろう。

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(美留和駅への道の目印)

緩やかな山道を下っていく。
もともとは地元の小学校が摩周湖へのハイキングのために使っていた登山道で、なだらかな一本道だ。
少しだけど紅葉も楽しめた。

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突き当りの舗装道路に出て左に曲がるとJR釧網本線の踏切が見えてきた。ゴールは近い。

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美留和駅に行く前に、借りたクマ撃退スプレーを返しに近くの民宿「ましゅまろ」に寄る。

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ここで完歩記念のストラップを購入。

11:30、美留和駅に到着。3日間71.4kmのトレイルを終えた。

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誰もいない駅で、列車が来るまでの間、コーヒーを淹れて待った。

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(十分に蒸らしました。というか、インスタントなので蒸らす必要なし)

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(「The End of Kiraway」。美留和駅、最後の標識)

達成感というよりも、時間内に着くことができた安堵感の方が大きかった。

KIRAWAYの魅力って、なんだろう? 

私は「何もないこと」だと思う。
広大な牧草地は、本当に何もない。歩いていると、ほとんど人とも出会わない。
こんな広いところに自分一人でいるというのは、やはりここへ来ないと体験できない。
高山を一人で歩くのとはまた違った、一種独特の感覚だと思う。
もちろん、グループで来てもそれはそれで楽しいだろう。

それと、ここにくると自然のスケールに圧倒される。
広大な牧草地はカメラでは収まりきれず、2日目からは撮影枚数も減った。
写真を撮るよりも、この雄大さを直に触れることのほうがもっと大事なことのように思えたのだ。

歩いている最中は「もうこんな辛い歩きはこりごりだ」と思ったものだが、
帰ってきて1週間が経ち、「次はどう歩こうか」という気持ちで心の奥のほうがむずむずしている。
関西から遠いのでそう簡単には行けないけど、季節を変えてまた歩いてみたい。
今回はスルーハイク自体が目的だったのでゆっくりできなかったが、次はもっと荷物を軽くして、時間もゆっくりとって歩いてみたい。
そうすれば、また違ったものが見えてくるのではないかと思う。

そして、このブログを読んでKIRAWAYに興味を持つ人、自分も行ってみようと思う人が一人でもできたら嬉しい。

【トレイルの記録】
▽10月9日 行動時間10時間50分 歩行距離25.83km
▽10月10日 行動時間10時間49分 歩行距離25.39km
▽10月11日 行動時間6時間36分 歩行距離18.49km

【危険箇所】
特にはない。徒渉が多いので増水時は注意。
ヒグマは牧草地以外ではどこに出てもおかしくない。
私は出くわさなかったが、それらしい糞はトレイル上にあった。
クマ鈴、ホイッスルは必携。

【宿泊地】
▽10月9日 佐伯農場のテントサイト
テント1張1000円。マンサードホールの炊事場、シャワー、トイレが24時間使える。
携帯電波は弱い。
▽10月10日 西別岳山小屋(避難小屋)
無料。大変快適な避難小屋。
KIRAWAYの施設ではなく、地元の山岳会の友の会が管理している。
西別岳への一般登山客も利用するので譲り合って使用すること。
毛布やマットはあるがシュラフなど持参するほうがいい。
水場なし(小屋内に焼酎のペットボトルに詰めた水があるがKIRAWAYのハイカーは使えない)。
トイレ別棟にあり。
携帯電波は入らない場合がある。

【その他・知っていると便利な事柄】
▽クマ撃退スプレーはできれば使いたくないが、万が一のために持っておくと安心感はある。
レンタルは中標津空港近くの桜井牧場、佐伯農場、JR美留和駅近くの民宿ましゅまろで借りる。返すのもこの3カ所のみ。
場所はあらかじめ調べておくことをお勧めする。
1台2000円。使用した場合は5000円がかかる。
▽開陽台カフェのおやじさんはKIRAWAYのハイカーに優しく、歓迎してくれる。水や氷の補給も可。
▽トレイル上のトイレは中標津町交通センター、道立ゆめの森公園、中標津空港、開陽台展望台、佐伯農場、養老牛温泉のKIRAWAY休憩所、西別岳山小屋、摩周湖第1展望台にあり。
JR美留和駅にもあるらしいが、閉まっているとの情報あり。駅前に商店が1軒あるので、頼めばたぶん貸してくれると思う。
間隔が長いところがあるので、携帯トイレは必携。
▽水場は中標津町交通センター、道立ゆめの森公園、中標津空港、開陽台カフェ、佐伯農場、ケネカ湿原、摩周湖第1展望台にあり。ケネカ湿原の水は煮沸消毒が必要。
また、美留和駅の近くに湧き水スポットがあるので、ルートを逆打ちするときに使える。

【関西からのアクセス】
以下はスルーハイクする人向けの情報
▽西進する正ルートの場合…関西3空港から中標津への直行便はない。お金に余裕のある人は羽田、または千歳から飛行機で中標津空港へ。しかし、朝一番の飛行機(千歳発)でないと佐伯農場に着くのは難しい。
釧路へはピーチの直行便が関空から出ているが、釧路空港着が昼を過ぎ、中標津に着くのは夕方になる。
いずれにしても札幌か中標津で前泊することになる。
安く上げるのならLCCで千歳まで行き、札幌から夜行バスで中標津へ。または札幌から釧路までJR特急、釧路から中標津までバスに乗り、前泊する。
帰りはJR美留和駅から釧路経由になるが、ピーチの関空直行便は時間的に無理。
札幌までJRで出れば千歳からその日のうちに大阪へ帰ることは可能。
しかし美留和か釧路、札幌に泊って翌日帰るほうが無難。
▽東進する逆ルートの場合…関空からピーチの直行便で釧路へ。釧路からJRで美留和まで行き、前泊。
または千歳までLCCで行き、札幌からJRで釧路を経由して美留和まで行き前泊。
釧路へ行き乗り継ぎ便を使ってもいけるが、どうせ前泊することを考えれば割高な飛行機代を出す価値がない。
帰りは中標津交通センターから札幌まで夜行バスで戻るか、釧路まで出て翌日、ピーチで関空へ。
中標津空港から飛行機を乗り継ぐのも可だが、乗り継ぎ便の値段を考えると得策ではない。

中標津―釧路はバスで約2時間で、本数は少ない。
釧路―札幌はJR特急で約4時間。本州にたとえると東京―名古屋間の距離とほぼ同じところをディーゼルカーで行く。
時間がかかるのは当然といえる。
アクセスには計2日かかると考えてのんびり行くのが一番だと思う。

【公式サイト】
KIRAWAYを歩きたいと思った方は公式サイトが参考になる→公式サイト
かっこいいテーマソング→公式テーマソング

その他、私で分かる限りですがコメント欄で質問してもらえればお答えします。

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(KIRAWAY完歩ストラップ)

(文と写真・ゐさを)

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コメント

非公開コメント

No title

KIRAWAY公式サイトのトップページの下のほうにアクセスが書いてあるんですが、
航空機のところに釧路ー大阪の直行便が載っていません。
釧路ー大阪便は昨年8月にピーチが就航し、運賃は最安でなんと5290円!
中標津のバスターミナルに野宿できるならこれが一番安いかも。